Medical

テレスコープデンチャー

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重度歯周病に適した入れ歯
テレスコープデンチャー
バネ式入れ歯はバネをかけた歯に負担がかかり、歯周病を進行させてしまいます。
「テレスコープデンチャー」は歯を支える歯周組織に優しい仕組みで、
さらに「しっかりと噛める」「審美的」「噛み心地が良い」「歯の寿命がのびる」
というメリットがあります!

テレスコープデンチャーには金属を全く使わない
「ノンメタルテレスコープデンチャー(ジルコニア製)」と、
金属を使うテレスコープデンチャーがあります。どちらも利点と欠点があります。

金属を使わない・審美的な
ノンメタルテレスコープ
デンチャー

ノンメタルテレスコープデンチャー

ノンメタルテレスコープデンチャーノンメタルテレスコープデンチャー
重度歯周病なのにイカでもタコでもしっかりと噛める!自然な噛み心地!噛む喜び!審美的!入れ歯を入れることで揺れている歯の寿命が延びる!重度歯周病なのにイカでもタコでもしっかりと噛める!自然な噛み心地!噛む喜び!審美的!入れ歯を入れることで揺れている歯の寿命が延びる!
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歯科金属を使わない入れ歯は、歯科金属による金属アレルギー・金属イオンによる体内汚染を起こさない
だけでなく、透明性があり審美的です!

治療症例を詳しく見る

咬合面観
治療前後
正面観
治療前後

「ノンメタルテレスコープデンチャー」と
「金属を含むテレスコープデンチャー」の治療症例

テレスコープデンチャーの仕組み

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バネ式入れ歯は歯(支台歯)にバネをかけて入れ歯を固定して使用します。
テレスコープデンチャーはバネではなく、支台歯に内冠を装着し、入れ歯側の外冠を内冠にしっかりとはめることで入れ歯を固定します。
茶筒(内冠)に蓋(外冠)をしたり、万年筆(内冠)にキャップ(外冠)をするイメージをしていただくと、テレスコープデンチャーの安定感をイメージしやすいかと思います。

  • バネ式入れ歯の仕組み
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  • テレスコープデンチャーの仕組み
    中垣歯科ではノンメタル治療が可能です!

バネ式入れ歯は歯を抜くための
装置にもなり得ます

着脱のたびに、噛むたびに、支台歯に揺さぶりの力が加わり抜歯へと繋がる!

動揺のある歯に入れ歯のバネをかけると、ゆさぶりの力がかかり歯周病の進行が加速して歯の寿命を縮めます。
バネ式の入れ歯で物を噛むと、バネをかけている歯(支台歯)に咀嚼力(揺さぶり)による負担が伝わります。バネ式入れ歯による揺さぶりの力は支台歯の歯周組織に負担をかけて、歯周病を進行させて抜歯へと繋がります。
実は入れ歯は物を噛むための装置(プラスの面)ですが、歯を抜くための装置(マイナスの面)ともいえるのです。

入れ歯のバネをかけた歯が揺さぶられて歯を支える骨が無くなり抜歯となり、新たに次の他の歯にバネをかけるとその歯にも負担がかかり、新しい支台歯も抜歯となって欠損歯数が増えていきます。そうして入れ歯がだんだん大きくなって(総義歯へと近づいて)いくのです。
このような理由から重度歯周病の歯に対してバネ式入れ歯はお勧めできません。

テレスコープデンチャーが
重度歯周病にお勧めの理由

動揺歯を固定し歯の
揺さぶりを抑えて
歯周病を進行させない

動揺歯を固定し歯周病を進行させる歯の揺さぶりを抑えます。
テレスコープデンチャーを装着し、動揺のある支台歯(内冠を装着)を外冠で固定することで揺れを防ぎ、動揺による歯周病の進行を抑制します。
テレスコープデンチャーは歯を固定しても外冠と内冠の間に遊びがあるために、歯の生理的な動揺が保たれて脳脊髄液の流れの妨げを最小限に抑えます。しかも、しっかりと噛めます。
  • テレスコープデンチャーを外した時

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    内冠を装着した
    支台歯は連結されていない
    歯の生理的動揺が妨げられていないため、脳脊髄液の正常な流れが妨げられていません。
  • テレスコープデンチャーを装着した時

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    内冠を外冠で連結固定
    (動揺歯を連結固定)
    動揺歯を固定しつつ、内冠と外冠の間には遊びがあります。遊びがあることで、歯の生理的動揺が保たれています。動揺歯を連結固定しているにもかかわらず、脳脊髄液の正常な流れの妨げが最小限に抑えられるのです!
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脳脊髄液の流れとは?
全ての歯は咀嚼や口の開閉時にわずかに動くように出来ています。しかし、歯を連結してしまうとそのわずかな動きが無くなってしまいます。
歯の生理的な動揺が失われてしまうと、脳脊髄液の流れが妨げられます。それにより、息苦しい、頭痛、その他の全身のつらい症状など、身体に不調をきたすようになります。

正しい治療に見えても…

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    歯周病で歯が揺れているので噛めない状態。
    連続冠を接着剤で(強固に)固定して噛めるようにした。

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    しっかり噛めるようになり、審美性も改善!
    しかし、接着剤で強固に固定されているために歯の生理的な動揺が失われて、脳脊髄液の流れが妨げられてしまった。

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息苦しい、頭痛、その他の全身の
つらい症状など、身体に不調が!
(個人差があります)

連続冠と接着剤で動揺歯を強固に固定すると、除去することが困難
例えば、連続冠で固定している動揺歯のうちの1本の歯だけが歯根破折したとしましょう。
動揺歯が連続冠を用いて強固に固定されていたならば、たった1本の歯根破折のために全ての連続冠を削って外さなければならなくなります。外すために歯も削られて歯質が減って歯が傷みます。削られる患者さんも体力的、精神的に大変です。まして、高齢になると治療がさらに困難になります。
テレスコープデンチャーなら容易に対応できます。
保存不可能な歯を抜歯して対応している外冠の内面を埋めるだけで治療が完了します。着脱可能な連続冠なのでその日から噛むことが出来ます。

動揺歯を固定して
しっかりと噛むことで
歯周組織を活性化

咀嚼による生理的な刺激を与えて動揺歯の歯周組織を活性化させます。
バネ式入れ歯ではバネをかけた動揺歯に揺さぶりの力(歯周組織にダメージ)がかかり、しっかりと噛めません。
動揺歯をテレスコープで固定してしっかりと噛むことで、動揺歯の歯周組織に咀嚼による生理的な刺激(歯周組織の健康に重要)を与えて、歯周組織を活性化させます。
  • バネ式入れ歯
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    バネによる
    支台歯への揺さぶりの力

    • しっかりと噛めない
    • 支台歯を揺さぶり支台歯の寿命が縮まる
  • テレスコープデンチャー
    歯周組織の活性化自然な噛み心地

    入れ歯の力がダイレクトかつ
    垂直に支台歯に伝わる

    • 自然な噛み心地
    • 歯周組織に生理的な刺激
    • 歯周組織の活性化

着脱方向が一定のため
支台歯に
負担がかからない

着脱方向が一定のため支台歯に負担をかけません。
バネ式入れ歯は取り外しの度に支台歯に揺さぶりの力がかかり、
歯周病の進行・抜歯へと繋がってしまいます。
テレスコープデンチャーの取り外しは着脱方向が一定のために、支台歯に負担をかけません。
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歯冠歯根比が改善されて
歯の寿命が延びる

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動揺歯に内冠を装着する時に、
歯冠歯根比が改善されて歯の動揺が減少し、
揺さぶりによる歯周組織の負担が軽減されます。
歯冠歯根比とは、板に釘を打ちつけたところをイメージしてください。
板に埋まっている範囲が、板から出ている範囲より長いと、釘が衝撃に強くなります。逆に、板に埋まっている範囲が、板から出ている範囲より短いと、釘が衝撃に弱くなります。
板に埋まった範囲が「歯根長」、板から出ている範囲が「歯冠長」、その比率が「歯冠歯根比」のイメージとなります。
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歯根長はそのままに歯冠長が短くなった、つまり歯冠歯根比が改善されました。
これにより歯の動揺が減り、歯の寿命が伸びるのです。

清潔を保ちやすくなる

内冠を装着することでシンプルな形態となり清掃しやすくなるため、
歯肉が炎症を起こしにくく歯周組織が健全に保たれます。

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    • 内冠の表面性状は滑沢なので歯垢(プラーク)が付着しにくく除去しやすい
    • シンプルな形状のため清掃しやすい
    • 歯周組織が健全に保たれる

修理が容易

予後不良な歯(例えば、歯質が薄いために破折しそうな歯など)を
支台歯に用いることで、
歯を保護する作用があり、もし抜歯となっても容易に修理ができます。

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    片側(右側)下顎のテレスコープデンチャーを長年使用していた。
    内冠を装着していた支台歯が破折したため内冠ごと支台歯を抜歯。
    相当する外冠の内面をレジンで埋め修理。

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    片側(右側)下顎のテレスコープデンチャーを支える支台歯が減ったために、反対側(左側)の下顎のテレスコープデンチャー(メタルプレート付)を作製。

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    レーザーろう着を用いることでレジン(樹脂)の部分に熱を加えずに、古いテレスコープデンチャー(下顎右側)と新しいテレスコープデンチャー(下顎左側)の結合ができる。古いテレスコープデンチャーのレジン(樹脂)はそのまま使用できる。
    今までと噛み合わせや装着感が変わらない!

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完成!

バネを使わないため
審美的

バネを使わないため審美的です。

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    部分入れ歯

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    テレスコープデンチャー

自然な噛み心地

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入れ歯による咀嚼力がダイレクトに支台歯の歯根膜に伝わり、自然な噛み心地が得られます。
歯と骨(歯槽骨)の間には歯根膜があり骨(歯槽骨)と結合されています。
歯根膜に伝えられた咀嚼力が噛み心地を感じます。コリコリといった嚙み心地は歯根膜が脳にその刺激を伝えて感じます。
テレスコープデンチャーはバネ式入れ歯と違って、入れ歯による咀嚼力がダイレクトに支台歯の歯根膜に伝わり、自然な噛み心地が得られます。

歯を削る選択

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冠が被せてある歯は既に削っているので、現在の冠を外して内冠を被せなおせばすみます。しかし、全く削っていない白い歯(天然歯)を内冠を被せて支台歯として用いるためには、歯を削る勇気と決断が要ります。これは患者さんの選択です。
削らないことにこだわりバネ式入れ歯を選択した場合、バネ式入れ歯のバネの支台となって、入れ歯の着脱の度・咀嚼の度に揺さぶりの力がかかり、抜歯へと近づいていきます。
予後不良(支える骨が減って動揺しているなど)なきれいな歯(天然歯)をあえて削ることで、「歯冠歯根比が改善される」「固定されることで歯にかかる負担が激減される」「歯周組織にプラスとなる生理的刺激を得られるようになり、歯の寿命が延びる」「審美性を取り戻す」「噛み心地もよく快適になる」という利点もあります。
利点と欠点を天秤にかけて検討して下さい。

新たな失活歯を作ることに対する
全身の健康への考え

失活歯と神経(歯髄)が生きていない歯(根管治療を施した歯、根管治療前の歯髄が壊死した歯など)は身体の健康に良くないということがヨーロッパを中心に海外では広まってきてきています。
日本の歯科医療では歯(噛むこと)を中心に診る歯科医療なので噛むために失活歯もできるだけ残すようにします。
海外では歯のことは勿論ですが、全身の健康を考慮した歯科医療(全身歯科医療)が広まっているので全身歯科医療の観点から失活歯を抜歯する選択肢もあります。

失活歯の全身への害とは?

  • 医科に行っても治らない辛い症状や病気…原因は歯科の領域にあるかもしれません。:全身歯科治療専門サイト
便宜抜髄を施した失活歯は全身への悪影響が殆ど無いと考えています
テレスコープデンチャーの支台歯として内冠を被せる時に、天然歯の神経を抜かなければならないこともあります。
歯髄が細菌感染により歯髄炎になっていないのに治療のために便宜的に歯髄を抜くことを便宜抜髄と言います。
便宜抜髄の場合、歯髄や象牙質に細菌感染により汚染されていないので揮発性硫黄化合物という毒ガスが発生していないと考えられ全身への悪影響は殆ど無いと私は考えています。

ノンメタルテレスコープ
デンチャーのデメリット

金属不使用
  • 金属を使わないので審美的!
  • よく噛めて、咬み心地が良い!
  • 金属を使わないので身体に優しい!
  • 歯に負担をかけず、歯が長持ちする!

メリットの多い金属を使わないノンメタルのテレスコープデンチャーですが、欠点もあります。

ノンメタルテレスコープ
デンチャーのデメリット

  • 金属と比べて高価
  • ある程度の厚みが必要なため異物感がある
  • 稀に破折することがある
  • 金属と比べで熱伝導率が低いため温度が感じにくくなる
  • 削合や結合(ろう着)ができないため修理が困難 など

中垣歯科医院では複数の素材のテレスコープデンチャー治療を行っています。
それぞれの素材の特徴をご説明し、患者さんのご希望を伺いながら、
適切な素材を選んでいきます。

ノンメタルテレスコープデンチャー
(ジルコニア製)

ノンメタルテレスコープ
デンチャー(ジルコニア製)装着

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ジルコニア製内冠装着

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ジルコニア製テレスコープ
デンチャー装着

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金属製テレスコープデンチャー

治療の流れ

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  • 初診時
  • 土台+内冠
  • テレスコープ
    デンチャー

内冠を入れたところ

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内冠を入れることで、
しっかりとした装着感を得られます

装着した様子

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バネのない入れ歯のため見栄えも良く
奥歯まで真っ白です

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執筆者:大阪府豊中市
医療法人OMSB 中垣歯科医院
院長
中垣 直毅

詳細はこちら

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