Case

THP認定衛生士による症例

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当医院には9名の歯科衛生士が
在籍しています。
内4名が、歯周病治療の
高いスキルと知識を身につけた
THP認定の歯科衛生士です。

担当:歯科衛生士 NMさん

Case 1

妊娠期における
歯周病治療の重要性

症例

患者様情報

患者
O・Mさん 女性 34歳 
専業主婦
主訴
  • 左上7(上顎左側第2大臼歯)コアごと脱離
  • 歯周病が気になる
    (出血 腫れ 口臭 歯がしみる ザラつき)
歯科的既往歴
他院で診てもらったが歯が割れているため、抜歯になると言われセカンドオピニオンとして来院
喫煙歴
なし
全身状態
妊娠の可能性あり(第2子妊活中)

診断と治療計画

  • *

    治療前の口腔内写真

  • 歯根が割れている抜歯適応の歯

    治療前のレントゲン写真

診断
慢性歯周炎と左上7(上顎左側第2大臼歯)の歯根破折の疑い
治療計画:THP8回コース(SRP6回)
  • 左上7(上顎左側第2大臼歯)CT撮影にて治療可能と診断→根管治療へ
  • THP8回コース(SRP6回)
    現在、妊娠はしておらず第2子を妊活中。
    第1子出産後から歯肉からの出血が続いている。
    第2子の妊娠までに歯周病菌の除菌を行う。
  • 左上5(上顎左側第2小臼歯)、左下6(下顎左側第1大臼歯)、左下7(下顎左側第2大臼歯)カリエスあり→除菌後に治療へ
    虫歯菌が母子感染することや、キシリトール摂取・規則正しい食生活に向けての患者指導を行う。

治療の結果

歯周組織精密検査表の改善

  • 20190325
    • PCR(磨き残し):17.6%
    • BOP(出血):38.1%
    • 4~6mm(歯周ポケットの深さ):20.8%

    色がついてる箇所が多くカラフルなほど症状が悪く、磨き残し、出血、排膿、深い歯周ポケット、歯の動揺が見られます。

  • 20190717
    • PCR(磨き残し):16.7%
    • BOP(出血):0.6%
    • 4~6mm(歯周ポケットの深さ):2.4%

    磨き残し、出血、歯周ポケットの深さ共に数値が下がり、カラフルから良い状態を示すモノトーンに変化したことで歯周組織が改善されたことが解ります。

オーラルクロマ比較による
口腔内細菌の産生する
悪臭ガス(口臭)の低減

  • 初診時
  • 治療後

もともと口臭を少し感じていたが、細菌が産生する口臭ガスの硫化水素・ジメチルサルファイドの発生が治療後更に減少しました。

位相差顕微鏡像の改善
(細菌レベルの改善)

  • 初診時 悪玉細菌優位

    活発に動くスピロヘーター(らせん菌)や運動性桿菌などの悪玉細菌が多く見られます。

  • 治療後 善玉細菌優位

    悪玉細菌が激減して活動性も低くなり、日和見菌、善玉細菌が多く占めています。

遺伝子検査リアルタイムPCR法の改善(遺伝子レベルの改善)

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重度の歯周病の原因となる3菌種(P.g菌・T.d菌・T.f菌)のレッドコンプレックス合計が基準値を大幅に超えていましたが、治療後の合計値が大幅に減少して基準値以内に治まりました。同じく基準値を超えていた極悪細菌(F.n菌)も基準値以内まで下がりました。

レッドコンプレックスとは

歯周病菌極悪3菌種レッドコンプレックス

重度の歯周病に影響があると言われている歯周病極悪3菌種(P.g菌、T.d菌、T.f菌)です。
位相差顕微鏡で確認できるのはT.d菌のみで、P.g菌とT.f菌は非常に小さい桿菌なので顕微鏡では判別できません。
そのためにリアルタイムPCR法による遺伝子診断が必要になります。
リアルタイムPCR法では、どの歯周病菌がどれだけいるかはっきりと数字で示されます。

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